3月1日羊蹄山(3)

真狩側山頂

真狩側山頂

もう少しで山頂というところで、険しさが増してきました。
そこで、担いでいるスキーやザックを置いてくことにしました。
足取りは軽くなり、スピードもあがりました。
15分ほどで山頂に到着。
山頂といっても、本当の山頂ではなく、真狩側の父釜のヘリなんですが。。
(本来のピークは、同じ父釜のへりでも喜茂別側の1898m地点です)

ここは日本海と太平洋が見渡せる絶景ポイントです。
いつまでも眺めていたい景色ですが、
時間もないので、写真もそこそこ早々に引き揚げます。

さて、ここからが楽しいはずの下りですが、足に疲れが来てしまい散々です。
特に樹林帯に入ったら、雪が重くてターンができません。
苦手の右ターンが曲がらないぃ~!

夕焼けの羊蹄山

夕焼けの羊蹄山

それでもなんとか下山でき、駐車場で見上げた羊蹄山。
辛かったけど、楽しかったと心に残る風景でした。

家に帰り風呂につかると、靴ずれがしみて思わず悲鳴をあげてしまいました。
<おしまい>


3月1日羊蹄山(2)

6合目付近

6合目付近

ぜいぜいいいながら、何とか森林帯を抜け、見晴らしのいい場所に出ました。
ここからだと洞爺湖がはっきり見え、昆布岳、尻別岳、留寿都、真狩、ニセコの眺めが最高です。
ここら辺の樹木はほとんどダケカンバで、環境が厳しいのでしょう矮小化しています。

急すぎてそろそろシールが効かなくなってきました。
尾根筋は凍っていて、つぼ足でも埋まらなそうです。
6合目半ぐらいからスキーを担いで登ることにしました。

プラスティックブーツの先で、コツコツとステップを作りながらじわじわと登って行きます。
ほんと牛歩です。
いっこうに山頂が近づきません。
ちょっと雪の柔らかいところにMSRのスノーシューの跡がありました。
これだと楽にあがれるのですが、スキーブーツでは使えません。
以前スキーブーツにスノーシューをつけて登ったら、
スノーシューのビンディングが負けて壊れてしまいました。

山頂直下

山頂直下

気がつけば予定した時間よりだいぶオーバーしています。
急がねばと思う心と裏腹に、全然ピッチが上がりません。
天気はいいし、最近は日没も伸びていますので、
このペースでも山頂までいける、と自分を奮い立たせて、
登り続けます。
でも、久しぶりにハイマツ帯にしがみつきながらの登りは、
楽しくてしょうがありませんでした。


3月1日羊蹄山(1)

羊蹄山に登ってきました。
山スキー2回目の友人と、真狩登山口8時に集合です。
8時ちょうどに着くと、駐車場には既に車が3台。
1台は友人のもの、もう2台はスノーボードを担いで登るパーティーです。
その後も2台、スノーボードの人たちがやってきて、
スキーが私達2人、あと15人ぐらいのスノーボードパーティーと、
なぜか同時スタートでした。

若い友人に引っ張られどんどん標高があがります。
樹林帯は風もなく、汗が噴出し息も荒くなります。

今回は滑りをメインに考え、アルペンブーツで登りました。
ところがタイトな仕様が仇になり、すぐに靴擦れが生じます。
辛い登りに、さらにまた辛さが増します。
救急セットを持っていたので、絆創膏を貼ろうか迷いましたが、
雪山の中でブーツを脱ぐ気にもならずそのままに登り続けました。
<続く>
2合目付近


1日ネイチャースキー

昨日はネイチャースキーに行ってきました。
「半日の2時間コースでは物足りない」
とのリクエスト。
「それでは1日コースを設定しましょう」
ということになり、
半日ツアーではなかなか行くことのない、
道道58号を五色温泉に向かうツアーを行いました。
道道58号は倶知安から五色温泉につながる道路で、
冬期はワイススキー場の入り口あたりから閉鎖になります。
そこから五色温泉へのルートはネイチャースキーにはもってこいのコースです。
そこはあまり勾配がきつくなく、
ネイチャースキーで使うウロコのついたスキーで登るにはちょうどいい斜面。
また、下りもハの字ができる方なら十分のコースです。
夏は、車で走れる道路ですが、冬季閉鎖のこの時期は雪が積もり、
道路の標識に手が届きそうなくらい。
なんだか不思議な気分。
キタキツネ、エゾユキウサギ、テン、アカネズミの足跡や糞、食痕を観察したり、
アカゲラやウソ、シジュウカラ、コゲラなどの野鳥も見れ、
とっても楽しいツアーになりました。
ニセコアンヌプリやイワオヌプリの急斜面を滑るバックカントリーのパーティーも多数いて、
東京からのお客様は、これぞニセコの風景と驚いて見られていました。
3月中ごろまではこの58号線ツアーは実施可能だと思います。
裏ニセコをのんびり歩きたい方はいかがでしょうか?

1日ネイチャースキー

イワオヌプリを正面に


雪中運動会

先週のあるテレビ番組の中で「雪国サミット」というものがあり、
どんなものかと視てみたら単なるあるあるネタの披露会で、
「な~んだ」と思いましたが、
考えてみれば、
雪がある暮らしとない暮らしってまったく違うものだな、
とあらためて考えさせられました。

先週地元保育園の「雪中運動会」なるものを見に行ったのですが、
これも南国ではできないものです。
いつもは砂場とかある公園部分に除雪の雪山が出来あがり、
そこを使ってそり滑りやチューブ滑りをまじえた競技が開催されていました。
子供たちは寒さを感じないのか元気に走りまわり滑っています。
これもこの子達が成長して東京や大阪などに出て行ったら、
地元の懐かしい思い出として周りの人に語られるのでしょうね。

温暖化が進み、雪が降らなくなると
このあるあるネタも過去のものになってしまいます。
雪国ならではの暮らし、
辛いこともありますが楽しいこともいっぱいあります。
大切に守っていきたいものです。
雪中運動会


ニセコとエキノコックス

もう2週間も前の事ですが、
NOC事務所にて倶知安風土館学芸員の岡崎さんより
「ニセコとエキノコックス」
という内容のお話を聞かせていただきました。
岡崎さんは羊蹄山麓でエキノコックスの調査をされていて、
倶知安町ではエキノコックス感染狐の減少に成果をあげている方です。
(エキノコックスについては、過去記事を参照してください。)
http://www.noc-hokkaido.jp/diary/?p=69
http://www.noc-hokkaido.jp/diary/?p=7
主にニセコでアウトドア活動をされているかたに声をかけ、
NOCスタッフを含め10名ほどが集まりました。
ニセコでもエキノコックスに感染したキツネが存在し、
人間の生活圏に近いテリトリーをもつものもいるそうです。
外から帰ったら手を洗う、山菜などは熱を加えて食べる。
など、基本的な防衛策で人への寄生は防げるようですが、
怖いのは犬もエキノコックスを媒体するということ。
ニセコで犬を飼っている方、ニセコに犬と訪れる方は
犬がネズミを食べなようしっかり管理する必要があります。
「うちの犬は、ネズミなんか食べない」
と思うかもしれませんが、実際は飼い犬でもネズミをよく食すようです。
ご注意ください。
また、エキノコックスの卵は寒さに強いため、
夏よりも冬のほうが活性を保ったまま自然界に存在します。
子供が雪を食べている風景をよく目にしますが、
やめさせたほうがいいと思います。
ほぼ北海道の全域でエキノコックスの分布が確認されています。
ニセコ町でもベイト(キツネの虫下し)を散布することになったようです。
これからの行政の対応に期待したいところです。

狭い事務所で熱心にお話をされる岡崎さん