先週、倶知安風土館で「エキノコックス」についての講演がありました。ちょっとショッキングな内容でした。
講師は北海道酪農学園大学・環境動物学の神谷正男教授です。
私自身も野山に出かけますし、ガイドとしてお客様を案内する立場なので、この「エキノコックス」に関しては多少の知識もあり、キツネの話題になると必ず注意を呼びかけていました。ただ、じっさい周りに発病した例も無く、血液検査で判明するのでそんなに深刻に考えていなかったのが本当のところです。しかし今回の講演で改めて「エキノコックス」の恐ろしさを感じ、これは真剣に考えないといけないと思いました。ちょっと長くなりますが、エキノコックスについて講演で聞いたことを書きます。
「エキノコックス」
皆さんは御存知でしょうか?
北海道の方なら御存知でしょうけど、本州ではどうなんですかね。
これは寄生虫なんですが、かなり危険なんです。
成虫はキツネや犬の腸内にサナダムシと同じように寄生しています。そして200個ほどの卵を糞と一緒に野外にばら撒きます。
この卵が間違って人間の口に入ってしまうと、とても恐ろしい結果を招きます。
卵からかえった幼虫は肝臓で無性繁殖(どんどんクローンを作る)をしていきます。最終的には何万匹という幼虫が肝臓の中でうようよと這いずり回るのです。
肝臓はこの幼虫のため腫れ上がってきたり、蜂の巣みたいな穴が空いていきます。肝臓内の静脈が肥大でつまり血流も悪くなります。自覚症状が現れにくく、発見された時はもう手遅れという状態が多いのもこの病気の恐ろしさです。
神谷教授は「病状はガンと同じ」と言われました。治療もガンと同じで冒されたところを切除するしか方法がありません。
自然界ではこの幼虫をネズミが持っています。
エキノコックスに冒されたネズミは肝臓が3倍にも膨れ上がり動きが鈍くなります。
プックリ太ったおいしそうなネズミ。
キツネや犬はそう思うでしょう。
このネズミを食べたキツネ、犬、タヌキなどが腸に成虫を飼い、卵をばらまくのです。
みなさん、かわいいからといって絶対にキツネにさわらないでください。体毛に卵がついている可能性があります。
接触しない、帰ったら手を洗う、生で山菜を食べない、沢水は沸かして飲む。
これを守ればエキノコックスは防げます。北海道に来られる方は必ず覚えていてください。
それから犬を連れて旅行される方は、北海道の大自然で思いっきり走らせたいのはわかりますが、絶対に放してはいけません。犬もネズミを食べる可能性があります。
北海道のキツネの4割強がエキノコックスを持っているといわれます。犬、キツネが一番成虫に適しているのです。本州にエキノコックスを広げないでください。
もともと北海道にもエキノコックスはいませんでした。半世紀ほど前、ネズミの駆除のため千島列島から人間がつれてきたキツネがエキノコックスを持っていたのです。これが始まりです。
現在、毎年10~20人の感染が報告されています。ほとんどが症状が出てきて発見されているそうです。ですから潜在的にエキノコックスを持っている人はまだ多いかもしれません。
キツネの感染率からいうと、道南と札幌周辺の地域が特に注意が必要です。
皆さん!気をつけましょう。
わが町倶知安では、キツネに虫下しの入ったえさを与えることで感染しているキツネを減らす対策をとってます。キツネは縄張り意識が強いので、感染していないキツネがいるテリトリーにはエキノコックスもいないといえるそうです。
ニセコ周辺のキツネの感染率は14%ほど。早く0%になってほしい。
野生動物に餌を与える行為になるのですが、そんなことを言ってる場合じゃありません。この対策が全域に広がり、北海道からエキノコックスがいなくなることを願います。
安心して野山で遊べる環境を次の世代に残したいですよね。
春の落とし穴
天気が良かったので羊蹄山麓の森に観察に行って来ました!
ポカポカ天気で気持ち良く雪の上を歩いていると一瞬にして視界が変化!!・・・そう、雪が抜けて胸まで地面に落ちました(笑)
もう大分雪融けが進んでいるんだなぁと身体を張って実感。でも出るのにちょっと苦労★一人だったので寂しかったです。
あんまり深い穴じゃなくて本当に良かったです!!
今日の一コマ
今日の午後のツアーはスノーシューで羊蹄山麓・真狩の森に行って来ました。若いご夫婦で女性の方は昨年、一昨年とツアーに参加頂いているベテランです☆
午前の天気とは変わり、曇り空でしたが森に入ると鳥が多い多い!!クマゲラの声も聞けたし色んな種類の鳥がいて確認するのが大変でした♪
森にはコクワやヤマブドウのつるが天然ブランコを作っています!ヤマブドウはズボンが汚れやすいけどコクワは大丈夫です。絡み方によっては強度が強いですから何人か乗っても大丈夫♪
春の雪は滑ります!歩いて降りるより尻滑りした方が早いんですよね(笑)
色々見れて楽しいツアーでした(^∇^)
がんばれ!
ここ何日かニセコでは荒れた天気でした。スキー場のリフトも下の方まで止まり、こんな時は家でゆっくり避難、ってな気分になります。
鳥たちはこんな時は常緑針葉樹のなかでじーっとして、動物もちょっとした物陰などに避難していてあまり活動しません。
でもよくよく考えると、足のない植物は大変。こんな天気に対抗するには「耐える」こと。
何とも基本的ながんばりです。
東京では昨日サクラが開花したそうですが、ニセコのサクラはあと1ヶ月と少し(G.W.明けくらい)のがんばりを経てパワーをためて、咲き出します。それだけに余計に綺麗な気がします。
と、今日はちょっとロマンチックにまとめてみました。
テレマークセッション
昨日の事ですがヒラフにナイター滑りに行き、2本目を滑り終えリフトに乗ろうとしたら前には外人のテレマーカー2人組み☆
僕もテレマークだったので声を掛けられました!
「ヘイ!テレマークセッションしよう!!」と
さすが外人さんのノリは違います。リフトでも「POW POW~」と叫びまくり(笑)周りの人がみんな見てたので僕も外人に見えていたのかな!?
一緒に滑ると外人らしいパワフルな滑り!僕も遅れまいと、かっ飛ばしてアドレナリンたくさん出ました。
2本目を滑り終えると上の6Cが二日振りにオープン☆
凄かったです・・・まるでスノーボードクロスみたいにリフト降りると同時にノートラック斜面に突っ込む人達。
すぐに放送でリフト下は滑らないで下さい・ロープをくぐらないで下さいの声。本当に怪我人でそうな位の競争。この時期の新雪斜面は殺伐としていますよ(笑)
嵐のあとは
ニセコは昨日、今日と暴風でした。でも午後のネイチャ-スキーツアーの最後には待ちに待った晴れ間がお目見えです☆ツアーは羊蹄山の真狩方面の森に行ったのですが、雲が切れて青空が見え出し、羊蹄山が姿を現した時は見事!!
嵐が続いた後の青空は本当にキレイに見えます♪♪
ツアーではトドマツの林の中にはパフパフの新雪がたくさんあって気持ち良かったです!更に強風で出来た大き目の雪庇の様なもの(道に出来た深さ70cm位のもの)を踏んで遊んでいた時は最高のフワフワ感。まるでスキーでシフォンケーキを切った様な感じでした。暴風に感謝!
東京からのお客様もその感触に大満足してました!!
今日のお客様はラーメンやスープカレーが大好きという事で札幌の美味しい店の話で盛り上がりました☆また食べ歩いて新しい情報を仕入れておきます(笑)
雪解け予想2
排雪を行なってから10日後の状況。
何回か降雪があったにもかかわらず、着々と目減りしていってます。
これが春の力ですね。がんばれ!
しかし、まだ冬芽が割れたのを見ていないような気が。。
植物は、「まだあるな」と感じているのでしょうか?